2013年6月15日土曜日

気分の波を、さざ波に

気分の波が激しい人っています。落ち込んでいる時は、自分を責めてしまって大変ですし、反対に上がってくるといつの間にか周りに被害が及んでいて、やっぱり大変です。そういう特徴に自分自身も翻弄されて困っている人はめずらしくないです。

こういう人は、歴史上の人物でもたくさんいて、ゲーテもそうだったと言われています。彼は、気分が落ち込んだときに色々と考えて、その内容を気分が高まったときに文章にしていたらしいです。そうやって上手に波を乗りこなしていたとも言えます。ゲーテのように波を生活の一部として上手く取り入れてあげると、翻弄される感じは少なくなって、自分の体感としては全く違います。

けれど、これが多くの人に使える方法なのかと考えると、なかなか難しいですよね。どうしてかと言うと、ゲーテのように自分のペースを守りながら生きることは難しいからです。社会生活では、もっと自分のペースを乱されたり、周囲に合わせることが求められますよね。

じゃあ、気分の波に翻弄されるしかないのか?というと、そうでもありません。これは、精神科医の神田橋條治先生が言っていたのですが、“気分の波は、気分屋的に過ごしていると穏やかになる”そうです。海の波も地形が狭いところでは高くなりますよね。それと同じように、人の気分の波も、窮屈な状況に置かれると激しくなってしまうのです。ですから、生活の中に気まぐれをできるだけ取り入れるといいそうです。具体的には、仕事から真っすぐ家に帰ろうと思っていたけど、気が向いたから本屋で立ち読みする、とか。カレー食べようと思っていたけど、気分が変わったからラーメンにする、とか。手軽にできることからやるのがおススメです。

自分を窮屈にしているのは、置かれている環境だけではなく、自分自身の考えの時もあります。“~であらねばならない”“~じゃなきゃダメだ”という考えが、自分を縛っているのです。そういう考え方がダメということはなくて、自分の中のある部分を守ってくれてもいるのですが、気分の波がさざ波になっていく時には、自然にそういう縛りがほどけていることが多いです。

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ゲーテの小説です。


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2013年6月5日水曜日

やる気のスイッチの入れ方


不登校の子どもに対して周囲の大人がとる方法で最も多いのが、“脅し”です。「このままだと行く高校がない」とか、「そんなことでくじけるなら、社会に出てからやっていけない」などなど。教師も親もあの手この手で不安をあおります。その不安に駆られて学校に行けるようになることもありますが、大抵、すぐに息切れしてしまいます。

こんな風に、人を不安にさせて行動を変えるというコミュニケーションは、世の中にけっこう多いです。

ガンになったら、こんなに大金が必要になる。そのために保険に入りましょう、とか。生活習慣をちゃんとしないと恐ろしい病気になる、とか・・・。そのやり方では、少しの間シャキッとしても、長続きはしません。(だから、契約するまで意識を高めればいいだけの保険会社は儲かって、持続的な意識が必要な生活習慣はなかなか改善しないのだと思います。)

反対に「育毛剤」のCMなんか見てると、「髪がまた生える!」などという希望に満ちたメッセージですよね。ほとんど効果はないんじゃないか?という薬に、お金をつぎこんでいる人がたくさんいます。けれど、こういうメッセージの方が、やる気は続いていくわけです。

僕らがやる気を持ち続けられる時は、「これをやったら、こんな良いことがある」と思える時です。もし、相手にやる気を出させたい時には、そのようなメッセージを考えてみると良いですよ。

ウソみたいな話ですが、学校に好きな子ができたら不登校じゃなくなっちゃったという人が、今までカウンセリングした中に何人かいました。そんなとき、自分のカウンセリングってなんだったんだろうという気持ちになりますが…。

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