2014年5月26日月曜日

アンチコミュニケーションスキルのすゝめ

1年ほどまえに、職人さんに頼んでテーブルを作ってもらいました。僕は家具に対するこだわりが強いので、細かいところまで“こうしたい”というイメージを持っています。その職人さんに初めて会った時、「天板をこんな形にしたいんですけど、できますか?」「足は、こういう風に組んでもらいたいんですけど、可能ですか?」と質問をぶつけました。すると、かなり長めの沈黙があって、こちらが不安になってきたころに「…たぶん、できます…」「それは、まぁ、可能です」とボソっと答えます。はじめ、この沈黙はなんの時間だろう?と思っていたのですが、すぐにその職人さんが頭の中でイメージしてくれているんだなと分かりました。

これは、一般的なコミュニケーションスキルという点では全くダメですよね。けれど、家具職人として考えた場合、流暢にセールストークを繰り広げる人よりは実直さが伝わって、ずっと信頼できるわけです。僕は、その職人さんとのやり取りが気に入り、テーブルを依頼しました。

社会生活をおくる上で、コミュニケーションスキルが大事だということはずっと言われています。けれど、たとえば、この職人さんが売り上げを増やしたいと思って、コミュニケーションスキルを学んだとすると、この人の良さが伝わらなくなってしまうかもしれません。

人が違えば個性も違うわけですし、コミュニケーションの取り方も違うわけです。ですから、僕自身は、スキルとしてコミュニケーションを学ぶよりも、自分の特徴を知る方が先だと思うし、強調されるべきではないか?と考えています。模範とされるようなコミュニケーションの取り方を目指すよりも、自分の良さがもっと活かされるコミュニケーションってどんなコミュニケーションだろう?と考えてみる方が良いと思うのです。

カウンセラーは、コミュニケーションを用いて仕事をします。ですが、魅力的なカウンセラーはみんなクセがあります。これは、自分の特徴を活かしたコミュニケーションをとるようになっているのかもしれませんね。

コミュニケーションについての別の記事:『コミュニケーションを上達させるには

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